2008年02月13日

VoIPConference2008補足

遅くなりましたが、VoIPConference2008の補足的なものです。

まずは、資料をご覧ください。
プレゼン資料は、こちら。
・今回の雷電部分の開発者arclamp.jpのyusukeさんのエントリー


ということで、以下、補足です。



●聖域にメスを
こちらは、一緒に講演したAsteriskの高橋さんも触れられていたことです。
高橋さんは、日本において、Asteriskがいまいち流行らない理由として、下記のように上げておられました。

PBXを自分で使おうとする人はいない、なぜなら、「電話は聖域」と思っている人が多いから

「電話は聖域」という話は、偶然にも、yusukeさんが講演の中で訴えたことに一致しています。
そして、無印吉澤さんが感じられた

この雷電の魅力は、yusukeさんのこだわりから来る設計の良さにあると思います。

ここが、一つ重要な要素なのだと思います。すなわち、

Webを知り尽くしている人(Webの専門家)が、Webのために設計している

のです。
「電話は聖域」という話は、「心理障壁」ですので、この事実こそが、ポイントになって使ってもらえるアプリになるのではないかと、現在は確信しております。
(最初は、「聖域障壁破壊」の手段ではなく、ただ単に、電話屋からのアプローチじゃ、使ってもらえないだろうなぁというところから、yusukeさんに声をかけさせてもらったのですが、結果的に、とても重要な意味を持ったかなと思っています。(;^_^A アセアセ・・・)


ということで、みなさん、「電話はもう手中にある」のです。ぜひ、何か思いついたら、アプローチしてもらえればと思います。




●雷電の中身について

いずれソースコードが公開されたら、ちゃんとコードを追ってみたいと思います。

とは、無印吉澤さんのエントリー
まっててくださいねぇ〜。いま、まとめておりますので。。。
※実は、コード自体は、開発途中のもの含めて、sorceforgeのほうにアップされていたりします。ただ、書き散らし状態なので。。。(紆余曲折した姿を、コードから追えるようにと、全てアップされていたりします。)

というか、雷電部分のコードは、ほとんど無いようなものであったりします。今回のバージョンは、ルーティング部分に、ServiceMixを使っていますし、もう一つのキモとなる、HTTPとSIPなどのマルチプロトコル間でのイベントを共有するための部分は、はっきり言って「アプリケーションに依存」するので、おおざっぱなインタフェースあるだけの状態です。

もちろん、このインタフェースの状態で「フレームワークです」という言い方もある気もしますが(一応、そういっていたりもするのですが)、はっきりいって、プロトコルまで全部自分で面倒見無くてはならないので、ほとんど使い物にならないという現実があったりします。
そこで、(いずれ、使用用途が見えてくれば、汎用部品化すると思うのですが)、現時点では、明確なアプリが見えていないですし、良いアプリがこれから生まれてくるという状態であると信じていますので、ヘタにこのあたりを固定化せずに、手探りで作っている状態です。
そのため、今回の雷電は、「雷電1号機」=「CTI構築型戦略機(w」というような表現の方が、適切かもしれません。そして、ほかにMailと連携させるバージョンが出来れば、「雷電2号」=「手紙絨毯爆撃機(w」とかなるかもしれません。

そして、そのあたりが、yusukeさんのエントリーの下記の部分となるところです。

じゃ、こんなものを作っていって何がいいのか?それは、これまで断絶されていた音声とWebのエンジニアによるマッシュアップです。何ができるのか、ということは想像できません。むしろ、このいうオープンな仕掛けによって音声とWebが連携できると分かることで、みんながどう思うかが楽しみです。なんか、新しい価値が生まれる可能性があると思っています。
というわけで、興味ある方は連絡ください。

ほんとうに、「なにか、こんなコトできたらよいのでは?」などのアイデアがあれば、どんどんと寄せていただければと思います。冷やかし大歓迎です!




おまけ
ちなみに、ルーティング部分は、独自のものも作っております。もちろん、ServiceMixで問題は全くないのですが、実装的に面白そうなネタを思いついたのと、個人的に、iPhoneなどのモバイルがジェットに入れたいので、そのときにスリム化できるようにとの思いがあったりします。




●私の考える雷電
最近 の ネットワーク系ですとIPv4の枯渇問題から、IPv6ネットワークが追加されようとしています。さらに、IP以外にも「RFID」や「ZigBee」といったセンサーネットワークなどが出現しております。
また、IPの上に載るプロトコルも「DLNA」が出てきたり、アプリケーションも「iTMS」など、独自のプロトコルをしゃべるのがあたりまえになっています。

すなわち、ネットワークが、物理的(IP以下)なものからプロトコル的なものまで、種類が増えようとしております。


ですが、もちろん、お互いが通信することは出来ません。
そこで、これらのネットワークが相互に通信できたら、世界が広がるだろうなぁということを考えて、生み出されたのが雷電となります。(SIPの相互接続から、全てのプロトコルの相互接続へ)


ということで、この視点から見ると、雷電+SIPropは、具体的な動作のイベント通知付き(独自定義可能な)異種プロトコル間ゲートウェイとなり、これが私の考える雷電となります。
そして、今回の雷電では、手始めにHTTPとSIPをお互いに通信できるようにしたというしだいであります。


で、これが何に使えそうかといえば、Apacheなどのサーバアプリ(例えば、個人SNSなど)と一緒に、iPhoneに入れたら、何か面白いことが出来そうに思えませんか???
iPhoneでのiTMSプロトコルをフックして、何らかのイベントとしてサーバアプリへ、通知してあげるとか、どうでしょう?
なにか、面白そうだと思いませんか?(ここのポイントは、あえて、クライアント側(モバイルがジェット側)にサービス用のソフトウェア一式が入っている点だと考えています。)


とはいっても、こちらの話は、もう少し先のお話なのですが。。。
そして、このあたりが、講演資料の「僕(yusukeさん)が考える雷電とは」というくだりや「雷電のロードマップは?」という質問に対しての私の回答が「5年後くらいを見ている」となった理由だったりします。


もちろん、今回作成した雷電の「HTTPとSIPの融合」を軽視しているわけではありません。
こちらが、うまくいかないと次もないワケなので、重要なロードマップなのですが、こちらはWebアプリケーションがあってなんぼだと私が考えているため、「聖域にメスを」の理由の通り、「Webの専門家(=yusukeさん)にまかせる」というスタンスなだけだったりします。

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