ARにおいては、『どこ』に『なに』を表示するか? という、オブジェクトを表示するための位置座標の特定がキモとなります。
例えば、ARToolkitでは、マーカーを用いることにより、マーカーのある場所が『表示位置』、マーカーの種類(資格の内部の図形)が『表示するオブジェクトの種類』を、現しているわけです。
しかし、ARToolkitなどのマーカーを利用したモノは、マーカーをどのようにばら撒くか?という問題があり、『実用化を考えた上』では、かなり厳しいのが現実です。(もちろん、はまる事例はあります。)
そこで、それの究極の解の一つとして、PTAMがあります。
(わかった気になれる解説は、こちら)
まさに、人間の認識に近づけているもの(もとは、ロボットの技術らしいですし)なので、将来性は高いのですが、『一年以内の実用化』(なぜ、この条件かは、後述)は、難しそうな状況です。
ゆえに、みなさん、このあたりを解決するための手段をいろいろと考えられているわけです。
例えば、セカイカメラは、GPS+Wi-Fiによる三点測量 でやる方法などです。
そして、その一つの解決策として、タイトルにあるプロジェクター投影型AR(とでもいうべきもの)があります。
百聞は一見にしかずということで、実際に、MITで作成したものがあるようなので、見てみてください。
「Talks パティ・マースによる 「第六感」デバイス のデモ」
この方式の優れている点は、
・カメラとプロジェクターの位置が固定であるため、位置特定がしやすい
・そのうえで、マーカーとなりえるモノを含めて、リアル世界に投影できる
ところです。
(上記のビデオでは、電話をかけるシーンで利用されていますね。)
もちろん、この方法が唯一絶対というわけではなく、ほかの方法と組み合わせてやるべきものと思います。
(というか、問題点がまだまだ多い。出力(輝度)が低いので、認識はけっこう至難。)
ということで、これを作るための材料を、ちまちまと用意しております。
大雑把には、だいたい揃ったのでくっつけていくところなのですが、手がつけられなさそうなので、ひとまず、公開だけしておきます。
誰かがやってくれれば、儲けものという感じです。(w
●Android関連
→モバイルしないと意味がないよね?ということで、Androidベースです。
・BeagleBoard x DLP x Android
→Android向けプロジェクター環境。Eneloopで動きます。
・Armadillo-500 FX上のAndroidでカメラプレビューする方法
→上記ボードには、USBが付いていますので、カメラはこの方法でつけます。
●AR関連
・NyARToolkit2.2.0対応バージョンforAndroid
→Android向けにARToolkitを。次は、OpenCVの移植の予定。しばし待たれよ。
・NyARToolkitForAndroid On Google App Engine
→バッテリー問題対応のためです。画像解析をモバイルデバイスでさせると、CPUをブン回すため、ほとんどバッテリーが持ちません。そこで、GAEなどのクラウド上などに負荷を分散しようという計画です。
・PMCode関連
-PM-AR Engine Android G1
-PM-Code Reader Android G1
→QRCodeに3次元目の軸(カラーコード)を持たせて、容量アップを図ったモノ。
→これは、ARToolkitなどのマーカー路線ですが、発展途上国などの無線通信回線が弱い地域で役に立ちそうなので、やっているものです。
→ただし、ARのほうは、まだ、モックアップorz 。PMCodeのほうは、うごかなくもない・・・精度が低すぎて、実用性がないだけ<いや、それが致命的なので、死にそうに調整中なんですが。。。という、関係で暇がないのです。(ノД`)
さて、最初のほうに、『一年以内の実用化』と書きましたが、なぜでしょうか?
理由は、『今年がARのトレンド』だからです。
去年のセカイカメラの登場により、世界中の注目が集まっています。
そして、それにより、『ビジネス』が加速しており、投資のお金が流れ始めています。
お金が流れる分野は、急速に発展し、そして、『ビジネス』になれば、また投資されて、開発が進むという正のスパイラルが生まれます。
ですが、逆に言うと、今年、『ビジネス』として、花開かねば、SecondLifeのようになってしまいます。
要するに、『お金にならない技術(=収益を生まない)』のレッテルが貼られてしまうと、投資のお金が回らなくなり、開発の規模も小さくなってしまいます。
これは、AR分野の発展が、5年は遅れてしまうことを意味するのです。
(この手の場合、今まで流れていたものさえ流れなくなり、元に戻るどころか、縮小します。)
ゆえに、AR分野、そして、それに続くであろう分野のためにも、世の中の役に立つというところを見せねばならず、今年は正念場なのです。
そのため、今年〜来年には、実用化可能な技術である必要があるのです。