2006年07月03日

VoIPの「データビジネス」

中島聡氏のネット時代のデジタルライフスタイルにおいて、Tellmeが、失敗データベースを作っているという、エントリーが出ていました。

そのキモとなる部分は、

Tellmeが最初からVoiceXMLをソフトウェア・パッケージとしてではなく、サービスとして提供することを前提としていた上に、当初から「データを蓄積することにより企業価値を高める」ことを考えていた点にある。

<中略>

すでに膨大なデータが蓄積されており、今でも毎日のように蓄積を続けている。VoiceXMLのテクノロジーそのものは、音声認識のソフトさえどこからかライセンスしてくれば誰でも簡単に作れる(実際、Tellmeも音声認識のソフトはNuanceからライセンスしている)。しかし、毎日何十万件の番号案内を処理しながら蓄積しつづけているTellmeのデータベースは、実際に何十万人のユーザーを抱えていない限り不可能であり、それが参入障壁となっているのだ。

ということですが、VoIPでもSPIT(SPAMのVoIP版)において、このモデルが使えるのではないかと考えています。

SPITがSPAMと違ってやっかいな点として「出てみるまでSPITかどうか判断しにくい」という点があります。
理由としては、


・非通知で発信されると、発信者情報がIPアドレス以外一切ユーザには届かない
・近年は暗号化される方向に流れているため、受信端末でしか解読できない
・リアルタイム通信である

といったあたりがあげられます。

そのため、「キャリアによる識別子(ユーザIDやIPアドレスなど)フィルタリング」が、一番効果的ではあるのですが、現状のSPAMの状況を見る限りですと、あまり期待できないと思います。
そこで、「自動着信して、音声データを解析する」という方法が一つの解であり、その音声データ情報データベース(BlackList)を作成するというところが、「データビジネス」になるのではないかと考えています。
(まぁ、方法論としては、SPAMのBlackListと同じ考え方なので、目新しくはないのですが、実現法にそれなりのVoIP技術が必要となります。)


というところで、音声データのマッチング技術をお持ちの方、一緒にやってみませんか?

Creative Commons License
This weblog is licensed under a Creative Commons License.