2006年08月11日

アメリカのケータイ事情とNGN

松村太郎さんのBlogに、「日本はケータイ(利用)先進国ではなくなったかもしれない
というエントリーが出ており、考えさせられる面があったため、エントリーいたします。
(もともとは、こちらに掲載されていたものを加筆したもののようです。)

引用から、


今まで別々に動いてきたようなケータイとインターネットの世界が、満を持してというべきか、この1年で生活レベルにおいて急激に融合を進めているように見えてきたのだ。「もはや日本はケータイ先進国ではない」そういう衝撃を突きつけられた格好だ。ニュースでは伝わってきた新しいサービスが、2005年から2006年で一気に広がったところに、何か日本のサービスの普及と違う雰囲気を感じたのだ。

(中略)

決定的に違う点がある。インターネットの環境でそれが行われている点だ。相手は同じようなSidekickのユーザーか、パソコンのユーザー。メールサービスも、ウェブのサービスも、チャットも全てパソコンからアクセスするインターネットと同じ環境を使っているのだ。つまりWeb 2.0の流れが、Sidekickによって、一気にケータイの世界に流れ込んできたことになる。メールに貼り付けら得た住所からGoogle Mapsで地図を検索して、見つけた地図のURLを貼り付けてまたメールで送り返す、そんな作業が当たり前なのだ。

 決して日本のケータイのウェブが不便だというわけではない。ユニークなサービスもたくさんある。しかし最新のサービスがいち早く使えるパソコン経由のインターネットの方が、新しモノ好きのワカモノにとっては魅力があるし、何よりそのサービスの数の充実度は圧倒的だ。アメリカのワカモノは、通信料だけで、これらの新しい、クリエイティブで変化の早いサービスをケータイからいつでも何処でもアクセスできるのだ。


アメリカのキャリアは、土管としての機能しか持たず、その上位のサービスはすべてインターネットに任せている点が、日本のキャリアと違う点であり、それこそが、たったの1,2年くらいで追いぬかれてしまう(と感じさせる)原動力になっているのではないかということなのではないでしょうか?

そう考えると、私としては、この対比は、

日本のケータイ事情=日本におけるNGN+IMSの世界
アメリカのケータイ事情=インターネット+MVNOで実現しうる世界

という感じがしてなりません。
日本のNGNでは、キャリア主導でサービス展開が行われると予想され、MVNOでは、SIer主導でサービス展開が行われるためです。
ただ、ここでの注意点としては、この日本のケータイ事情がダメというわけでは無い点です。例えば、おサイフケータイのような高セキュリティーを要求するようなサービスにおいては、コントローラブルであることは、非常に重要だからです。
この点も踏まえ、日本のNGNがインターネットよりに傾けば、固定・移動(ケータイ)・インターネット の、すべて、ひっくるめてサービス展開が出来る可能性のある日本の通信は世界に類を見ないレベルに到達できるのかもしれません。これこそ、NGN(次世代通信網)というのに相応しいのではないでしょうか。

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