2008年04月21日
『研究』開発?『商品』開発?
「挑戦しないと新技術なんてできない」というホンダ社長 福井威夫氏のお言葉。
『研究』開発の『当たり前』の話。
バカな失敗はもちろん許されませんが、研究開発の全部が成功するわけでもありません。すごい技術なんてそうは簡単に生まれないことは、みんなが分かっている。失敗して当たり前。99%の失敗の中から1%がうまくいけばいい、という感じでやってもらっています。
むしろ、ホンダでは「典型的に失敗した事例」をみんなで評価する制度すらあるのです。成功事例だけじゃなく、失敗したプロジェクトもきちんと完結させる。そして1年に1回、ホンダの役員が研究所に出向くイベントに、そうした失敗事例も展示します。「こんな面白いことに挑戦したけど、大失敗でした」と。失敗を笑うわけでも責めるわけでもない。「面白いねと」みんなでワイワイ言いながら、「次は頑張れよ」と評価するのです。普通の会社なら、こういった失敗を隠しちゃうでしょう。
で、最近は、当たり前じゃなくなったという話も、ちらほら、聞く&感じる今日この頃。たぶん、↓と混同されてしまうからか。いや、そうならざるを得なくなるから『穀潰し』という扱いを受けて。
ただし、研究開発と、クルマや二輪車などの商品開発には明確な一線があります。顧客に迷惑はかけられないから、開発した技術は徹底的に確認した上でクルマに応用する。新しい技術の開発とは違って、商品に搭載する技術での失敗は許されない。100%成功しないとダメです。
う〜ん、結局、「イノベーションのジレンマ」のシリーズの話になってしまった悪寒。
なんか、いまいち、煮え切らなかった。。。でも、定期的にこういう話を出すのもアリってことで。
- by noritsuna
- at 17:48
comments
激しく共感
研究開発という名の商品開発をやって忙殺されている人が多いような・・・ま、自分も含めて
「イノベーションのジレンマ」
一言でいうと、
「大企業の持続的イノベーションは小企業の破壊的イノベーションに対処できない」という話。
ホンダ社長の話はもっともで、日本の製造業をリードしてきた知恵が具間見れます。つまり、持続的と破壊的イノベーションの両方に対処しようという訳かと。
このヒントが技術に対する現場主義に見られるような気がします。「研究」開発と「商品」開発を分けて書いているけど、「失敗」に対する取り組みを変えているだけで、どちらも技術の追求という姿勢に変わりない。詭弁を使っている感じはしないですね。
ところで、破壊的イノベーションって、ネットにおいてどんどん起こるのですが、持続的イノベーションに囚われている大企業ばかりですね。まあ、どことは言いませんが。。。
にーさとさん、kibayosさん
なんという喰いつき(w
> 「失敗」に対する取り組みを変えているだけで、どちらも技術の追求という姿勢に変わりない。
なるほど!
たいていの商品開発だと、「お客重視」となって、いろいろと無理難題や技術・構造的に無意味なことをやらされるアレとの対比ってことですね。よって、うまくいっているのだと。
たしかに、「品質」という面においても、この辺りに秘訣があるかもしれませんね。
> 技術・構造的に無意味なことをやらされるアレ
これ、よく見かけます。たぶん、ホンダの姿勢はちと違うんだと思います。
「サービス」を重視する中にも技術革新があると見ているか、そうでないかの違いかな。
技術とそれを生み出した技術者を誇りに思ってない会社は、無知ゆえに「無意味」なことをやらせるものなのです。
さらにつっこみます。
資本が集まると、トップは「技術は金で買えばいい」ということを言い出します。
M&Aなんかもその手段で、このため「技術」とそれを生み出すための時間のかかる努力が軽視されがちな傾向にあると思います。
そんなトップの元に、革新的イノベーションは生まれないと私は思っています。
kibayosさん
> 資本が集まると、トップは「技術は金で買えばいい」ということを言い出します。
> M&Aなんかもその手段で、このため「技術」とそれを生み出すための時間のかかる努力が軽視されがちな傾向にあると思います。
うわ〜、最終章って感じですね。
そして、そのお買い物した技術を押しつけられる技術陣。。。ああ、目に涙が。。。
> そして、そのお買い物した技術を押しつけられる技術陣。。。ああ、目に涙が。。。
呼んだ?
にーさと さん
> 呼んだ?
あ〜、ばれた?(w
某社も、そうらしいですけど。うわさでは。