2008年05月24日

コミュニティーをやる理由

最近、Android勉強会P2P SIP勉強会SIProp勉強会 なんていう、コミュニティーをやっているのかというお話を。

私の目標的には、いうならば、

『シリコンバレー的なベンチャーエコシステムの形成』

を、目指しております。

なんのことかというと、まさに、こちらで横田さんが自ら乗り込んでインタビューしてきたという、IIJの浅羽副社長の思い、そのものです。

浅羽副社長は、この事について日本人技術者の発想力や想像力がないのではなく、このような新しい技術・アイデアを育てる社会的な仕組みが無く、そのような物を具現化するものが無いとおっしゃられた。


何を、大それたことをと思うかもしれませんが、結局のところ、このエコシステムというやつは、

『人とのつながり』

でしかないとおもっています。
たとえば、上記で、『シリコンバレー的』といっていますが、実体としては、

『XXXをやりたいのか?なら、ここの人に会えばいい』
『YYYという技術なら、この人がプロフェッショナルだ』

という風に、やりたいファンクションにマッチした人を紹介してくれる人脈網というのが、その正体です。

さらに、日本だって、ベンチャーにお金を出資してくれるとこはないとか言いますが、実際には、存在します。ただ、出る先が、『出資者の知り合い』とか、『成功者の紹介者』というだけなのです。なら、自分が『出資者の知り合い』になれれば、出資してもらえるわけです。


で、その核となるのが、コミュニティーだと思っているわけです。

(この件に関しては、だったら、海外行けばいいぢゃんって話になってしまうのですが、個人的には、『お金が絶対』的な感じがして、ちょっとなぁというところがあります。もうちょと、ライフスタイルカンパニーよりの企業にも生きる道がほしいのです。)




さて、で、このコミュニティーが何かというと、今までの『Linux(というプロダクトを核とした)コミュニティー』ではなく、意味合い的には、なんのプロダクトも核にない『同じ思いを持った人たち』のコミュニティーというものを、想定しています。

具体的には、今あるコミュニティーとして、

・講演形式
 よくあるセミナーや講義と同じで、講演者が、壇上で一方向でしゃべるという形式のモノ。

・一体感形式
 講演者と参加者が、双方向にコミュニケーションをとれる形式のモノ。

 例としては、1000speakers のような形式。(名前は、ここから拝借)

とあります。
で、この一体感形式が、『同じ思いを持った人たち』で『何かをしたいという思いを持った』コミュニティーなのだと思います。そして、さらに、この一体感をさらに進めて、

・アメーバ形式(勝手に、命名)
 知り合った人たちが、自ら動いて、隣どおしに結びつきを強くしていき、さらに、新しい人への繋がっていくという、自己増殖していくような形式のモノ。
 そして、十分育ってくれば、自己を切り離して、それが新しい何かになる的なコミュニティー的なイメージです。
 インキュベーティブ・コミュニティーというようなイメージも良いかもしれません。

というようなものを、想定しています。
いまのコミュニティーは、『技術で閉じている』感が強いので、もっと、もっと、違うところと繋がっていく、そういうイメージです。
これは、JJUG趣意書にある「組織 - コミュニティのコミュニティ」の理念や『3つの閉じず』に近いモノと見ても良いかと思います。ゆえに、私は、JJUGの幹事になることを承諾したのですから。

そして、これが、最終的には、人脈網である

『シリコンバレー的なベンチャーエコシステムの形成』

に繋がっていくと信じているわけです。




そして、Android勉強会が、分野としても、ケータイからゲーム、組み込み、ネットワークまでと幅広く、しかも、ビジネスに直結しそうであるということで、なにか、違う世界に到達できるのではないかと思って、やってみようという気になりました。
(SIProp勉強会 や P2P SIP勉強会は、ちょっと、このフェーズに早い位置にいるコミュニティーなので。)



おまけ

こういうことをしていると、『なぜ、そんなコトしているんですか?』とか『おもしろいんですか?』みたいなことを、聞かれたりするのですが、『プログラムを開発する理由と全く一緒』で、最終的に自分が利用したいから、『作っている』んです。
なので、私としては、こういうことも、いわゆる『ものづくり』と同じなんです。だから、楽しいんです。
(あと、コミュニティーのお約束、すごい人と一緒になにか出来ることは、楽しいことです。)

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「ニッポン」的な組織 from なんとなく実験 with SIProp開発記

Project Hews by 木南英夫のこちらのエントリーより。 日本人は、「...

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