2006年08月19日
江教授と冲中KDDI 執行役員 のNGN会談その1
江教授と冲中KDDI 執行役員が、NGNについて語っております!必見です!!!こちら。
NGNの概要とは?
NGNは、いわゆるインターネットの構造とは少し異なる、制御されたIPベースのネットワークになるとされています。このようなNGNが、インターネットとどのように相互接続を実現させるか、ということがこれからのNGNの方向性というか、NGNのシステム・アーキテクチャの議論の中で重要になっていく
プロトコル統一は、10年コースですか。。。先は長いなぁ。
一つの端末で移動網にも固定網にも接続できるというモデルを作ったときに、そこに使うプロトコルは移動用と固定用では、少なくとも当初の10年くらいは、異なるプロトコルが使い続けられながら、段々と統一されていくと思います。(中略)
移動系のほうは、ローミングという形でネットワークをまたがって通信できる仕組みがあり、業界のコンセンサスができています。そこで、固定系はどうするのかということですが、NGNあるいはウルトラ3Gでは、基本的にはIETF標準のSIPベースのシステムにして、固定系の解決を図ることになります。
中核部分です。テストに出ます。(w
端末側にインストールされるSIPクライアントというソフトのネットワークとのインターオペラビリティ(相互接続性)をどう確保するか、これが重要になってきます。そのときに、そのSIPクライアントをどこに置く(インストールする)かが問題となります。すなわち、SIPクライアントを、一番身近なユーザーの端末側に置くのか、あるいは家庭と外部のネットワークを接続するホーム・ゲートウェイに置くのか、あるいはその中間にあるSTB(セット・トップ・ボックス。欄外の解説を参照)に置くのか。要するに、どこに置くかによってシナリオが変わってくると思います。しかし、この問題については必ずしも、業界でコンセンサスができていないのです。
(中略)
STBはSIPクライアントがインストールされていて、SIPで通信できるようになっていますね。それで、家庭の中にあるパソコンや情報家電というのは、SIPをインストールするのですか、しないのですか。(中略)個人的にはSTBにSIPクライアントを積むということになると思います。
SIPを情報家電に積み込むのは、けっこう難しいのです。理由としては、SIPというプロトコルが重いためです。そして、現在の情報家電は、ZigBeeやDLNAを積む方向で動いています。
ということは、このSTBでSIP←→ZigBeeやDLNA 変換をしてあげるとうれしいことになるはずなのです。(この辺のお話しは、「家電の世界」のエントリーも参考にしてください。)
あまり、語ってはいない部分ですが、実は、SIPropは、プロトコル変換Proxyという性格も持っていたりします。。。そこまで苦労して柔軟性を持たせているのは、伊達ではなかったりするわけです。。。
あっ、言っちゃった・・・
NGNは、実はインターネットそのものなのですよ。つまり、グローバルなコネクティビティ(接続性)をきちんと提供するためのIPアドレスがあって、あるパケット・フローに対して、ルーティングのインテリジェンスを持たせるためにSIPが存在している。
(中略)
現在のベストエフォート型のインターネットは、あまりルーティングにインテリジェンスがありません。ところが、あるサービスに対して、通信経路の「コントロールをしたい」という要求がいろいろと出てきていて、その要求を実現するひとつのアーキテクチャでありプロトコルが、SIPなのです。
私もその通りではないかと考えていて、その辺の話は、「NGNの現実」のエントリーにまとめていますので、参照してもらえればと思います。
しかし、これだと、車輪の再発明でしかないわけで、よほどのメリットがないかこっそりと仕込まれている(意識させずにNGNへ接続させる)というのでない限り(これの解決策の意味もあり、STBを使うといっていると思われます。STBを接続すれば、全く意識せずに自動的にNGNへ繋がっているというシナリオなわけです。)、NGNを使ってもらうことは出来ないわけで、↓のような〆となっているのだと思います。
NGNのアーキテクチャの標準化との関係、あるいは実際のビジネスでの利用の面からみて、NGNをどうつくっていくか、これから5年、10年というのが正念場という気がしますね。
本来、これが一番重要な部分だと思うので、もう少し、つっこんでほしかったところですが、現在はキャリアさんが知恵を絞って考えている段階であるので、議論は避けたのかもしれませんね。
次回は、「NGNのIMSはオープンなのか?」とのことなので、とても、楽しみであります。内容的には、最後のNGN普及論の部分にかかるもののような気がしますので、是非とも、つっこんだ内容であることを期待したいです。
- by noritsuna
- at 10:11