2008年05月18日

その、さらに、先へ

さて、実は、前々回のエントリー前回のエントリーは、まだ、続いています。(そして、これが最後)


完全にリアルが融合してくる世界

が、今回のお題目で、

局所的、刹那的なネットワーク(アドホック通信)が必要な理由

という、ところになるでしょうか?
(実際に、この世界が来るのは、20年以上はあとでしょう。)


さて、前々回のエントリーで、『ネットワーク側に、自分の分身を作る』というお話をさせていただきましたが、これは、

全世界の人が、一つの仮想空間に放り込まれる

ということになります。
これは、セカンドライフMMORPGの世界です。

この仮想空間内では、その自分の分身が、様々な行動(イベント)を起こすことで、日常やゲームが進行していきます。例えば、仮想空間内での売買取引 や モンスターを倒す などの行動ということになります。




では、『ネットワーク側に、自分の分身を作る』という意味での仮想空間の規模は、どのくらいになりそうか、ちょっと、考えてみましょう。

接続者数(アカウント数)としては、ソーシャルグラフのようなものを考えると、コミュニティー別に疑似人格を作るということもあり得るでしょう。例えば、SIPropのnoritsuna や NEETのnoritsunaなどです。

そうなると、実質的な接続者は、全世界人口の数倍、数百億を超える数となるでしょう。


さらに、行動(イベント)としては、ゲーム内では、インターフェースの都合上(マウスなど)、平行には、1イベントくらいしか起こせません。

しかし、現実の世界においては、平行で行動(イベント)が起きえるシチュエーションが、考慮され始めています。

例えば、ユビキタス空間基盤推進協議会 というところで、「場所にucodeを付与する「空間コード」が描く社会」というようなものが、検討・実証実験されています。
(この空間コードとAR(artificial reality)の世界をうまく融合していけば、ずいぶんと面白そうな世界となると思いませんか?『攻殻機動隊』や『電脳コイル』の世界とか。)

そして、このような世界では、

人が一歩歩くたびに、無数のセンサーからのイベントを受け取ることになる

ため、平行で起きる行動(イベント)が、数十という単位になることが予想されます。




さて、ここで、話を現時点での仮想世界に戻しまして、セカンドライフを考えてみましょう。
セカンドライフでは、1つの島(サーバ?)に、50人までしかアクセスできないという制限があります。MMORPGでは、もっと優秀ではありますが、似たような制限があります。


どうでしょうか?本来は、『数百億アカウント x 数十並列の行動(イベント)』を処理したいのに、現時点での仮想世界では、『数万アカウント x 1〜2並列の行動(イベント)』というレベルにしか達していません。

ここまで、桁が違うと順当な進化では、対応することは不可能でしょう。まったく、新しいブレークスルーが必要と思われます。(これでは、みんな大好き『攻殻機動隊』や『電脳コイル』の世界を、実現できないのです!)




すべてが、接続されてはいながらも、すてが、処理できることが重要な課題の一つなのです。
そこで、

・サーバ側
 永続的に保持したい情報
・クライアント側
 刹那的に処理すればよい情報

という風に分けたりして、分散するなんていう方法論を検討していたりするわけです。
(本当は、もっともっと考慮すべきことが山積されています。ありすぎるので、割愛。)


そして、このように、

今までとは全く違う世界を見据えて、その世界で、ちゃんと動くネットワークを、『再』設計して、『新規』に作り直そう

というが、第八回P2P SIP勉強会の講師の大西さんの研究テーマであります。
そして、この勉強会は、この世界の知識の共有や情報交換、議論をしている勉強会なのです。


ちなみに、この話は、NwGNというキーワードの世界のお話となります。
ご興味のある方は、P2P SIP勉強会に参加してみてください。

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