2009年02月22日

マスからマニアへ

最近、Android関連で『普及しますかね?』と聞かれることが多くなってきました。そこで、

国内では(対iPhone的なリッチケータイという意味において)、今年の後半くらいに出ると言われている日本仕様を取り入れたAndroidケータイのでき次第である。

国外では(対Nokia的な超廉価ケータイという意味において)、台湾が国を挙げてAndroidケータイを作っている。これが、本当に動き出す、2〜3年後に、ケータイの普及率が爆発的に伸びているアフリカなどの後進国において、ブラウザケータイ(日本のi-modeが流行ったときの感覚)として、デファクトになる可能性がある。

という話をしたりするのですが、実は、個人的には、『普及』に関しては、興味がなかったりします。(;^_^A アセアセ・・・
なぜか? 要は、『普及』に込められている意味は、『うちの組織が儲けられるくらいの市場規模になりますかね?』という意味であり、組織の規模や市場の狙い方により、根本的に答えが変わるものだからです。

そして、私の規模感は、『1〜3人』くらいのマニア集団的なグループを考えているため、『普及』に関しては、興味がないのです。
この規模であれば、『市場の見え方』も、ずいぶんと変わってきます。
単純な話、100万/月の売り上げがあれば十分だから、サービスをする上で必要なユーザ数が、1000とか10000で事足りるかもしれないわけです。


『いやいや、そんなのは夢物語』をと思われるかもしれませんが、その足音は確実に近づいています。




1,Amazon EC2などに代表されるクラウドサービス
構築、運用費は、クラウドサービスにより、2桁レベルで下がり、個人で調達が可能になりました。
これは、いろいろ言われていますので、今更説明するまでもないかと思います。



2,少ない個数でハードウェアが作れる世界
昨今は、数年前に比べて、ハードウェアの作成費が、2桁レベルで下がりました。
そして、『AndroidのようなオープンなViewまでを含めて、ハードウェアを作る上で必要なものをすべて完備フレームワーク』の登場により、これがさらに下がろうとしています。

具体的には、こちらのエントリーの話を具体化した「一般社団法人Open Embedded Software Foundation」を2009/02/12に登記いたしました。(※この話に関しては、別途エントリーをまとめていますので、お待ちください。)

これらにより、上記で上げたサービス規模である『1000ユーザ』という単位でのハードウェアの発注の芽が出てきているのです。
(この手のサービスは、『少数のマニア』向けであるため、多少高額でも買ってもらえるという点もあるため、現実的です。)

注:ちなみに、サービスを作る上で、ハードウェアまで作る必要はないのですが、このエントリーの理由から、ハードを作れる世界にこだわっている次第です。




と、以上により、制作費や運用費が、『1〜3人』くらいの規模でさえ、賄える芽が出てきたのです。
次の問題点としては、この手のサービスは、『少数のマニア』をターゲットとすることになるでしょう。そうると、『どのようににリーチするか?』が問題となります。が、その解決策も見えつつあります。




3,『同じ指向の人々』のマッチングを行う、ソーシャル系
mixiなどに代表されるソーシャルネットワークなどの『個人を繋げるコミュニティーツール』です。
すでに、「1億5000万人の巨大プラットフォーム「Facebook」がとんでもないことになっている」なんていう事例もでつつあり、現実のものとなっています。
(ちなみに、このへんのは、次期のSIPropで成果をお見せできるはずです。10月には出来ているはずだったんですが。。。orz)




4,Cloud Market社の構想

最後に、それらを『換金』するための仕掛けとして、上記の3つを完全に取り込める形のマーケットが必要なのです。

そのための仕掛けが、『Cloud Market』社でやろうとしているなのです。




と、必要な部品は揃いつつあります。あと10年くらいすれば、『1〜3人』くらいのマニア集団的な生き方も普通に選べるような時代になっているかもしれません。
正直、是非ともほしい世界です。><

追記(2009/03/25)
小川浩のネットショッキング・「Androidは開発者を魅了するオープンソースのモバイルプラットフォーム」日本Androidの会・木南幹事 に、Android関連で『普及しますかね?』の一つの答えが詰まっています。
ぜひぜひ、合わせてご一読していただければと思います。

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